エグゼクティブサマリ
世界有数の英語出版社であるHarperCollins社は、ソース管理および構造化レベルの高いワークフローベースの出版プロセスを確立するための、Webコンテンツ管理(WCM)ソリューションを必要としていました。これにより、ビジネスユーザがWebコンテンツの公開を行えるようになり、会社自体がソフトウェアアーキテクチャを管理できるようになります。HarperCollins社は、既存のインフラストラクチャを活用しながらコンテンツを管理するために、Serena® Collage® ソリューションを導入しました。
Serena Collageを導入以前は、コンテンツオーナーは自分達のコンテンツの公開を、開発者に依存せざるをえませんでした。その時点で、コンテンツオーナーはソースコードの管理を手放したことになり、追跡や監査や保守に関して問題が発生していました。Collageを導入したおかげで、コンテンツオーナーは公開機能を持ち、承認、改訂、サイトの稼働に関して必要な管理を行えるようになりました。HarperCollins社はプロセスを合理化して、既存のインフラストラクチャを活用して社員および小売りパートナーへのサービスを向上させながら、80以上のイントラネットおよびエクストラネットのWebサイト上で容易かつ効率よくコンテンツを作成して保守できるようになりました。
課題
ビジネスユーザがWebコンテンツを所有し、会社がソフトウェアアーキテクチャを所有することを可能にする、ソース管理およびワークフローベースの発行プロセスを開始すること
ソリューション
Serena Collage
成果
- Webサイトを本稼働に移行するプロセスを合理化
- 人材配置の効率性を向上
- ソースコードの重複と欠落をなくしたことによる生産性の向上と、コードおよびコンテンツに対する変更を監査する能力の向上
- 既存のインフラストラクチャの活用を通じた節減
「Collageを導入した当社の最終目標は、ビジネスユーザがすべてのコンテンツを所有し、会社がアーキテクチャを所有する構造を創出することでした。当社は、その目標の達成に成功しました。そして全社的に情報の共有を改善し促進するために、当社内の各ビジネスユーザや種々の部門に、その成功を広げていきたいと熱望しています。」
- D.J. Spellman氏 HarperCollins社 システムエンジニアリング担当役員
HarperCollins社は、世界中で高品質な文芸作品を発行
HarperCollins Publishers社は、世界一流の英語の出版社であり、News
Corporation社の子会社です。同社はニューヨークに本拠地を置き、出版グループ内に2,600人の社員を擁しています。それらの社員は、アメリカ、カナダ、イギリス、およびオーストラリアに配置されています。同社出版グループには、HarperCollins
General Books Group、HarperCollins Children’s
Books Group、Zondervan、HarperCollins
UK、HarperCollins Canada、およびHarperCollins
Australia/New Zealandがあります。HarperCollins
General Books Groupは、HarperTrade、Morrow/Avon、HarperInformation、HarperSanFranciscoの4つの事業部から構成されています。
アメリカの出版グループでは、約1,500人の社員が働いています。その事業所はニューヨーク、カリフォルニア、インディアナ、ペンシルバニアの各州に7事業所あります。この組織は、一流の編集陣と効率のよいサプライチェーンと、他社の追随を許さない倉庫で有名です。
米国HarperCollins社のイントラネット/インターネット
HarperCollins社のイントラネットは、70の動的なWebサイトと10の静的なWebサイトで構成されています。米国内の7事業所およびカナダのトロント事業所に属する社員が、このイントラネットにアクセスすることが可能です。動的サイトは、休暇スケジューリング、コピーセンターへのジョブ送信、営業情報提供、および全社的なサービスへのアクセスに使用されています。静的サイトには、HarperCollins社のホームページである「Harper
Source」と「HR Online」があります。前者は、社員が出版業界に固有の情報にアクセスするためのものです。後者は、広範な人事関係の活動に関する情報を提供するものです。大部分のサイトでは、ASPに基づいたSQLサーバデータウェアハウスから情報を取り出します。ただし、同社はCold
Fusionへの移行を既に開始しています。
2003年2月、HarperCollins社はCorporate
Librarian Groupと契約して、Harper
Source向けの業界固有のコンテンツの提供を受けるとともに、電子メール機能を追加することにしました。提供されたコンテンツには、HarperCollins社をはじめとする出版社の情報、出版ポータルサイトのリスト、協会や組織に関する情報、およびメディアおよび業界に関するニュースが含まれていました。
HarperCollins社のエクストラネットはB2Bアプリケーションであり、パートナーとの関係を管理するための動的でセキュリティの高い3つのWebサイトから構成されています。HarperCollins社には、105軒の小売り書店パートナーがいます。それらのパートナーはエクストラネットを利用して、在庫および売上の情報にアクセスしたり、請求処理や注文の追跡やコンテンツのダウンロードを行ったりしています。
HarperCollins社のソースコンテンツ寄稿
Serena Collageを導入前は、ソース管理およびコンテンツ寄稿は手作業で行われていました。Corporate
Librarian Groupは開発ツールのFront
Pageを利用して、コンテンツを提供していました。しかし、コンテンツの公開については、HarperCollins社の開発者に依存していました。Corporate
Librarian Groupは、コンテンツを複数のサーバにコピーしました。すると、開発者がファイルコピーを使用して、ソースコードをあちこちに移送しました。いったん公開されると、コンテンツオーナーはコンテンツに直接アクセスすることができません。バージョン管理もソースコードも承認プロセスもありませんでした。更に、監査トレイルは全く存在しませんでした。
「どのコードに対して、誰が何を行ったかを示す方法がありませんでした。もしソースコードが失われたら、信頼できる復元方法が全くありませんでした。」とHarperCollins社のシステムエンジニアリング担当役員であるD.J.
Spellman氏は述べています。「2001年には、会計年度末など都合の悪いときに、そのようなことが数回発生しました。その会計年度末にソースコード変更したのですが、その結果報告された数値に複数の誤りが発生してしまいました。不幸にして、どこでエラーが発生したのかを、追跡して検出する方法がありませんでした。」
最善方法の探求
2002年初旬に、HarperCollins社のIT部門は、Spellman氏の指揮下において、Webコンテンツ管理(WCM)ソリューションを探し始めました。Spellman氏が求めていたソリューションは、優れたソース管理機能があり、さらに次のような要件を満たすものです。
- 承認および改訂のプロセス
- 監査トレイル機能の提供
- ソースへのアクセス
- 複数サーバに対して公開できること
- Macromedia DreamweaverおよびMicrosoft
Visual Studio 6.0との互換性
「Serena Collageを最初に我々に勧めてくれたのは、システム開発およびアーキテクチャ担当次長のRich
Rothstein氏でした。」とSpellman氏は述べています。「Rothstein氏は、以前の職場でCollageを使用したことがありました。我々は競合製品をいくつか評価しました。評価後Collageは、当社の要求の大部分を満たすことができ、予算内にも収まっているということが分かりました。同じような価格の他ソリューションには、当社の要求に近い機能を備えていませんでした。2002年5月に、当社はCollageを採用することを最終決定し、同年7月に導入を完了しました。
Serena Collage: 第1段階
Spellman氏は、2段階に分けてCollageを導入する計画を立てました。第1段階は、すべてのイントラネットおよびエクストラネットのWebサイトに関して、ソースコードの保守とコンテンツの配布の問題に対処することです。そして第2段階で、特にHR
Onlineに関するコンテンツ管理に焦点を絞るつもりです。Spellman氏が熱心に進めたのは、ソースコードを開発からテスト更には本番へと移していくためのワークフローを完成させることと、Collageの監査、バージョン管理、ロールバックの各機能を使用することでした。
導入作業を推進中に、HarperCollins社のIT部門は定期的にSerenaのサポートサービスを利用して、さまざまなタスクやトラブルシューティングについて支援を受けました。
「Serenaの顧客サポートサービスは一流であることが分かりました。」とSpellman氏は述べています。「我々が接触した担当者は常に極めて知識が豊富で問題解決に意欲的でした。それらの担当者は迅速でプロフェッショナルでした。しかし、私が最も感心したことは、実際に何度も同じ担当者と話ができたことです。今日のテクニカルサポートの世界では、これは特異なことです。」
Collageを導入して以来、そのタスク管理、ワークフロー、リンク検証、診断の各機能を利用することにより、HarperCollins社はエラーを未然に検出して、承認されていないかまたは誤りのあるコンテンツの公開を防止できるようになりました。また、Spellman氏およびITエンジニアは、Collageを使用してユーザおよびシステムのアクティビティに関する膨大な履歴を得られるようになりました。監査ログはMicrosoft
Excelのような共通のレポート作成ツールにエクスポートされます。更に、プロジェクトの資産およびメタデータに対してチェックインされたすべての変更が、ユーザが意識せずとも、Collageによってバージョン付けされます。バージョン履歴は積極的に保持されています。そして、直ちにロールバックしたり、プレビューを見たり、以前のバージョンに基づいて編集を行ったりしたい場合には、容易にアクセスすることができます。
Serena Collage: 第2段階
導入の第2段階では、HarperCollins社のITスタッフがCollageの能力をイントラネットのHR
Onlineサイトにまで拡大適用します。HR
Onlineでは、Collageを利用して、全米の施設にわたる約750ページのコンテンツを管理する予定です。社員は、多様な人事関係の情報を参照するために、毎日HR
Onlineにアクセスします。
現在、HR OnlineのコンテンツはHarperCollins社の開発者が維持運営しています。人事担当者はコンテンツの変更を電子メールで開発担当者に伝えます。それを受けた開発担当者は、手作業で変更を実施します。それには平均して週に4~8時間が割かれています。「問題はそれらの変更の量とタイミングです。」とSpellman氏は述べています。「当社の開発チームは週に約20ページを更新しています。それらの変更の半分は軽微なものであり、残りの半分は新しい人事キャンペーンに関するものです。Collageのおかげで、そのプロセスを迅速に実施し、コンテンツ保守の時間を減らして、開発者が開発に多くの時間を割けるようになりました。」
今後の適用領域
次のステップとして、HarperCollins社はCollageを部門ごとに展開し、各部門が独自のコンテンツを掲載したポータルサイトを持てるようにしようとしています。各部門が独自のコンテンツを所有して、Webページに直接掲載できるようになるでしょう。
それに加えて、HarperCollins社はインターネットを通じて簡単な文書管理を行うために、 Collageの機能を活用する可能性を調査しようとしています。Collageの単一のリポジトリには、簡単な文書を格納することができます。たとえば、財務報告書、広報キャンペーン情報、売上予測データなどを収められます。また、Collageを使用して、HarperCollins社は.pdfフォーマットで文書を発行することもできます。この機能は他のソリューションには含まれていないので、Spellman氏はこれを「おまけ」と呼んでいます。
「現在のところ、内部文書の中にはイントラネットには決して掲載されないものがあります。」とSpellman氏は述べています。「それらはオフィス文書としてファイリングされ、誰もが容易にアクセスすることはできません。財務報告書を含むそれらの文書を掲載することが目標のひとつです。この点でも、 Collageは.pdfフォーマットで文書を発行する機能を通じて、我々が目標を達成する力になるでしょう。」
全体として、HarperCollins社の外部のビジネスユーザおよび内部の開発者にとって、コンテンツ寄稿プロセスを合理化するのにCollageが役立ったと、Spellman氏は結論づけています。
「Collageを導入した当社の最終目標は、ビジネスユーザがすべてのコンテンツを所有し、会社がアーキテクチャを所有する、構造を創出することでした。当社はその目標の達成に成功しました。そして全社的に情報の共有を改善して促進するために、当社内の各ビジネスユーザや種々の部門に、その成功を広げていきたいと熱望しています。最終的に、当社の静的コンテンツの100パーセントおよびソースコードの100パーセントをCollageで管理することになるでしょう。」